原発と同じ構造なのでは?

 大津波水産業の現場を支えてきた外国からの研修生や実習生の人生も、一変させた。津波に漁船や工場がのみ込まれ、働く場をなくした人たちは涙ながらに帰国した。漁船で沖に出たまま、行方が分からない人たちもいる。
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 会社の大島忠俊社長は、避難所を回り研修生を捜した。現金の手持ちがなく、働いてきた分の給料の支払いを約束した「保証書」を持たせて研修生を送り出した。「3K(危険、きつい、汚い)で、働き手の少ない職場を支えてくれる貴重な子たちだった。無事に送り返せてよかった」
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 同県塩釜市の沖では、大分県漁協保戸島支店所属のマグロはえ縄漁船第3くに丸(小山国友船長)のインドネシア人船員4人の行方が分からないままだ。震災の日、次の漁に備えて拠点の塩釜港に停泊していた。だが、大津波の被害を避けようと、沖に出たところで波をかぶった。第1波で計器類が壊れ、窓ガラスが破損。4人は船員室から外に出たところで、第2波にさらわれたという。


 僚船の船主は「インドネシア人の船員がいないと漁は成り立たないのが現状」と言う。僚船に乗っていたインドネシア人船員(30)は4人について「寂しい。みんな泣いた。元気で見つかってほしい」と語った。

強調は引用者。記事のトーンは“悲劇の中のいい話”といったものになっていますが、「研修生や実習生」に支えられているような「産業の現場」という不条理も忘れないようにしたいものです。本来、自立できないような産業が受け入れるもんじゃないでしょ、研修生や実習生って。そうまでして人件費を抑えて漁獲、加工した魚が大都市では一皿100円とかの寿司になってぐるぐる回ってるのでしょう。都市での快適な生活が地方での外国人による「3K」労働に支えられているという点では、原発と同じ構造です。