布川事件再審、無罪判決の見通し

朝日の報道より。強調は引用者。

 この日の再審公判では、1967年10月に桜井さんが茨城県警取手署で捜査員の取り調べに「自白」した様子を録音したテープが法廷で初めて再生された。「ブチッ」と録音が中断する音や、重ねて録音したためか声が混じって聞こえるところもあり、録音の中断を経て「自白」の内容が変遷する様子がうかがえた。


 有罪確定までの裁判では、証人として出廷した当時の取調官も検察側もテープの存在を否定していた。2001年に始まった2回目の再審請求審で、ようやく検察側がテープを開示。弁護団が音響分析の専門家に依頼した鑑定で、編集された跡が11カ所以上見つかった。再審開始を認めた08年の東京高裁決定では「供述の一部だけを切り取っており、信用性がない。取調官による誘導があった可能性も否定できない」と指摘した。

「有罪の確信」さえあれば警察や検察がどれほどのことをやってのけるか、をよく示す事例であると言えよう。