冤罪関連番組2本

火曜日

今週はNHKが冤罪疑惑事件についての番組を2本放送します。いずれも自白のない事件ですが、便宜上「自白の研究」タグを用いています。

まずは明日20日放送予定の「クローズアップ現代」。

www.nhk.jp

もう1つは23日にBS1スペシャルとして放送されるこちら。3部構成、170分の長尺です。

www.nhk.jp

名張毒ぶどう酒事件第10次再審請求を名古屋高裁が棄却

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金曜日

昨日3月3日、名古屋高裁名張毒ぶどう酒事件の第10次再審請求審(異議審)において最新を認めない決定を下しました。弁護側は特別抗告する方針です。

www.47news.jp

再審請求が第10次にまで及んでいることは、この事件に関心のないひとにとってみれば「無理筋の再審請求をいつまでも繰り返している」ように見えるのかもしれません。しかしそもそもこの事件、証拠調べをもっとも丁寧に行う第一審では無罪判決が出ています。それくらい直接的な証拠に乏しかったということを前提に、今回の決定も評価する必要があります。

しかも問題なのは、弱い証拠をつなぎあわせて有罪判決に至る際に、被告人(元死刑囚)に有利な証拠を隠している点です。『東京新聞』が証拠開示に後ろ向きな検察を批判する社説を掲載していました。

www.tokyo-np.co.jp

FBSニュース「シリーズ『飯塚事件』検証」ほか

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日曜日

(自白のない事件ですが、便宜上「自白の研究」タグを用いています)

 

FBS福岡放送が飯塚事件に関する連載を始めています。

www.fbs.co.jp

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日本テレビ系列の地方局ですので、ひょっとすると「NNNドキュメント」で番組になるのかもしれません。

 

また名張毒ぶどう酒事件第10次再審請求異議審で、名古屋高裁が来月3日に決定を下すことも明らかになりました。こちらについては決定が下り次第、記事にしたいと思います。

東住吉事件国賠訴訟、大崎事件第4次再審請求

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金曜日

東住吉事件と大崎事件に関する最近の動向です。

まず青木恵子さんが起こしている国賠訴訟については、裁判所が和解を勧告したものの、被告側の拒否により決裂となる見通しです。

www.mbs.jp (アーカイブ

当初私も「和解なんて勧告せずにさっさと原告勝訴の判決を出せばいいのに」と思っていたのですが、勧告案には原告青木さんを「冤罪被害者であると確認」すること、国や府が「厳粛に今回の問題を受け止め、再発防止に努める」とする内容が含まれていたとのことです。

digital.asahi.com (アーカイブ

原告勝訴判決では賠償金の支払いを命じることはできても国や府の認識に関してなにかを命じることはなかなか難しくなります。裁判を早期に終結させる以外にも和解の“使い途”はあるのですね。

 

また大崎事件は第4次再審請求が最終段階を迎えました。

www.fnn.jp (アーカイブ

373news.com (アーカイブ

弁護側が最終意見書を提出、今月の28日までには検察側も最終意見書を提出する見通しで、あとは裁判所の判断を待つだけとなります。

坂本敏夫元刑務官、袴田事件を語る

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火曜日

『文春オンライン』に、元刑務官の坂本敏夫氏に取材した木村元彦氏の記事が掲載されています。

bunshun.jp

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拘置所の対応についてのはなしはほとんどが初耳でした(予想外ではありませんでしたが)。

袴田さんがクーラーを初体験して驚いていたという逸話で、以前に見たアメリカの冤罪に関するドキュメンタリーの一場面を思い出しました。

「無罪の死刑囚 ~免田栄は問い続ける~」

次回、12月5日深夜(6日未明)のNNNドキュメントは1年前に亡くなられた免田栄さんを取り上げるそうです。

www.ntv.co.jp

放送されたらこの記事に追記します。

「逆転人生」に桜井昌司さん登場

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火曜日

NHK総合で放送されている番組「逆転人生」の11月22日放送回は「殺人のえん罪を晴らせ 43年がかりの逆転劇」と題して桜井昌司さんの人生をとりあげていました。

www.nhk.jp

布川事件については一通りのことは知っていると思っていたのですが、初めてテレビで語るという元支援者(当時日本国民救援会の事務員だった方)や弁護団の弁護士さんなど、初めて拝見するひとも何人か登場していました。桜井さん自身が自白の誘導の様子をスタジオで説明する場面も興味深いものでした。

番組の最後に桜井さんが朗読した詩は桜井さんの著書『俺の上には空がある広い空が』(マガジンハウス)にも収録されています(9ページ〜)。

magazineworld.jp