『ジャーナリスト#清水潔の仕事』、桜井昌司さんゲスト回

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火曜日

 4月18日深夜に放送されたNNNドキュメント'21「濡れ衣〜闘い続ける余命一年」は桜井昌司さんをとりあげたものでした。国賠訴訟の地裁判決が出た2019年のフッテージと比べて真っ白になった頭髪が闘病生活の厳しさを物語っています。高裁判決が間に合うこと、国が無用な上告をしないことを望みます。

この番組のチーフディレクター清水潔さんと桜井さんへのインタビュー動画が Youtube の日テレNEWSチャンネルで公開されています。

湖東記念病院事件国賠訴訟、検察が証拠開示を拒否

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木曜日

-関西テレビ 2021年4月16日 「検察は「全証拠」は出せない…証拠は誰のもの? 服役後に無罪が確定した女性が起こした裁判」(archive

もう法改正しかないですね。収集したすべての証拠、操作資料の開示を義務付ける。それこそメモ一枚から。証拠や資料を隠蔽したことが判明したら被告人は即無罪に(服役中・服役後なら再審無罪)する。

恵庭事件、再審ならず

 

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日曜日


(自白のない事件ですが、便宜上「自白の研究」タグを用いています)

恵庭事件の第二次再審請求が最高裁によって退けられました。

-北海道新聞 4月16日 「恵庭OL殺人事件、最高裁も再審認めず 第2次請求、特別抗告を棄却」(アーカイブ

なお当ブログではこの事件に関して、検察の証拠隠しが疑われる旨のエントリを書いたことがあります。

NNNドキュメント「濡れ衣」

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金曜日

今度の日曜日深夜、NNNドキュメントが桜井昌司さんを取り上げます。

 またマガジンハウスから桜井さんのエッセイ『俺の上には空がある広い空が』も刊行されました。

magazineworld.jp

それぞれ、追って感想を記事にしたいと思います。

違法な取り調べで熊本県に賠償命令


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木曜日

www.nishinippon.co.jp (アーカイブ

やはりこのケースでも警察の「取り調べで反省を引き出そうとする」姿勢と、それでいて自分たちの誤りは一切認めようとしない体質とが露呈しています。家裁で不処分の判断学だっただけでなく、別の民事訴訟で女児の母親の供述について「信用性が乏しく、一部は虚偽で違法」という判決まで下っているにもかかわらず、取り調べにあたった警察官は今でも彼(男性)の話を信用していないのか」という原告側弁護士の質問に「そうですね」と答えたとのことですが、公務員が裁判所の二重の判断を無視してこんな発言をする権利があるのでしょうか?

判決では男性の性急が認められはしましたが、賠償額はわずか16万5千円でした。県にとっては痛くも痒くもないでしょう。

kumanichi.com (アーカイブ

袴田事件、三者協議始まる

-NHK NEWS WEB 2021年3月22日 「袴田事件再審 東京地裁で3者協議始まる」

www3.nhk.or.jp

注目すべきは、静岡地裁と東京高裁で評価の分かれたDNA鑑定ではなく、「5点の着衣」の血痕の色が争点になる見通し、という点です。

先に最高裁がこの点に関する審理がつくされていないとして高裁に差し戻したからなのでしょうが、なるほど弁護側の主張する通り1年も経てば赤みが消えるはずというのなら「5点の着衣」が捏造された証拠であることはほぼ確実になり、DNA鑑定についての議論をバイパスできます。

なお今月始めには、「味噌漬け実験」に取り組んだ支援者の記事が「デイリー新潮」に掲載されています。

www.dailyshincho.jp

「日本一長く服役した男」

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土曜日

なぜか NHK のサイトにきちんとした番組の情報が残っていないので、番組表のスクリーンショットを貼ります。

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「日本一長く服役した男」

「仮釈放になってすぐに出てくることができる」という誤解が広まっている「無期懲役」についての問題提起……のはずなのですが。取材を受けた元刑務官の男性は「(無期懲役は)本当に終わりのない/いついつまで頑張ったらっていう 有期刑の者とは明らかに違うので/とてもじゃないが希望を持たすとか 指導の仕方っていうのはできなかった」(テロップの書き起こし、以下同じ)と無期懲役の重さを語りながら、「もう自業自得 当然の結果だと 見る人もおるでしょうし/特に被害者の方であれば それも仕方ないことだと思います」と語る。取材中に死亡した元受刑者の火葬に立ち会った男性は「男性〔=元受刑者〕の生きた意味 どういうものだと?」と問われ、「人の命を奪って 人の未来も奪ったんだから 仕方ないんじゃないですか/人の未来奪っといて 自分だけのうのうと生きようなんて/そんな世の中は通らないと思いますよ」と語る。

極めつけは、元受刑者を受け入れた福祉事務所の代表。受け入れた当初の取材では「ここで与えられた使命というのは 社会復帰させることですから/罪を問い詰めることじゃないです/過去を責めても仕方ないでしょ 今からを見ていかんと」と語っていたにもかかわらず、元受刑者の生活態度にいらだちを覚えると「一生ね 自分の中で罪は償うていかな/刑務所で償うのか ここで償うのか 場所が変わっただけ/今から生きるためには Aさんが亡くなられた 自分があやめた人に/手を合わせて「すまんやったごめんやった」 ちゅうて生きていかなんと」と説教をしてしまう。

 

しかし人の未来奪っといて 自分だけのうのうと生きようなんて/そんな世の中は通らないと思いますよ」というのは本当だろうか? 2千万人の「未来」を奪った侵略戦争や植民地支配についてこの社会はそんな姿勢を見せているだろうか? むしろ「いつまで過去を蒸し返すのか!」と声高に言い立てているのではないのだろうか?

元刑務官と火葬に立ち会った男性の二人の語りは、番組中で語られたことだけを見ると61年もの服役を「仕方ない」としているようでいて、語り口や身振りなどは口にできない思いをなお抱えこんでいるようにも思えた。本当は「無期懲役」についてもっと批判的なコメントも口にしたいのに、「世間」がそれを許すまいと思っているようにも見えたのだ(あくまで見えた、だけだが)。それがまた、61年も服役した男の犯罪と国家犯罪に対するこの社会の態度の違いを痛感させた。

 

いつもコメントを下さる Teru さんからメールでお知らせをいただいたのだが、この番組についての Zoom ウェビナーが来月末に開催されるとのこと。

cpr20210328.peatix.com

私も早速申し込んだ。上記のような私の感触が正しかったのかどうか、確かめてみたい。