「風物詩記事」で消費される水産資源

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金曜日

-日本経済新聞 2020年11月12日 「北海道・鵡川シシャモの漁獲9割減、98年以降で最低に

スーパー等で「シシャモ」として売られているものの大半は実は「カペリン(カラフトシシャモ)」という別の魚種であり、この記事で言うところのシシャモはもともと日常的に食する機会の多い魚ではありません。しかし不漁の原因が記事にあるように「平年より海水温が高かったことなど」なのだとすると、今後もこうした不漁が続く可能性は高いわけです。

ところがたった数週間前にはこんな記事が配信されていました。

-読売新聞 2020年10月22日 「銀色に輝くシシャモ、北海道で「すだれ干し」ピーク

記事を読めば分かる通り、いわゆる季節ネタとして惰性で書かれただけの記事で、この時点ですでにわかっていたはずの歴史的な不漁にはまったく触れられていません。政府や企業が「SDGs」を看板に掲げてはいても、結局こういう日常的な記事に「持続可能性」への無関心が露呈している……ということではないでしょうか。

中日新聞の日野町事件連載

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日曜日

会員限定記事ですので私は全文を読むことができませんが、ご案内まで。

〈検証・日野町事件〉(上)〜(下)

<検証・日野町事件>(上)06年の再審請求棄却、倒錯した論法に批判:中日新聞Web

<検証・日野町事件>(中)取り調べ14時間「食事与えた」と看過:中日新聞Web

<検証・日野町事件>(下) 「可能性話法」で塗り固め:中日新聞Web

 

証言・日野町事件(1)〜(6)

証言・日野町事件 (1)当夜の被害者 作山哲平(大津支局):中日新聞Web

証言・日野町事件 (2)写真すり替え 作山哲平(大津支局):中日新聞Web

証言・日野町事件 (3)正解への誘導 作山哲平(大津支局):中日新聞Web

証言・日野町事件 (4)賢いハンス 作山哲平(大津支局):中日新聞Web

証言・日野町事件 (5)逮捕前夜 作山哲平(大津支局):中日新聞Web

証言・日野町事件 (6)最後の「侍」 作山哲平(大津支局):中日新聞Web

このうち(4)では浜田寿美男さんにインタビューしています。

 

三菱スペースジェット(MRJ)、開発凍結へ

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木曜日

-共同通信 2020年10月22日 「国産ジェット旅客機の開発、事実上凍結へ」

うっかりサーバーを解約してしまって消滅した旧掲示板でときおり話題になっていた三菱重工MRJ改めスペースジェット、ついにこういう結果になりました。

記事では新型コロナウィルスの流行に伴う航空不況が理由であるかのようにされていますが、もともと大幅に開発が遅れていた案件です。新型コロナはむしろ撤退する格好の口実を提供してくれたというところでしょう。

もうそろそろ「ものづくり大国」幻想から醒めないとほんとにまずいことになると思うんですけどね。

大崎事件第4次再審請求、「事故」現場で進行協議

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木曜日

-西日本新聞 2020年10月13日 「事件現場で状況再現 24年ぶり裁判官立ち会い 大崎事件」(アーカイブ

進行協議が現場で行われたのは、殺人事件ではなく事故死であり、近隣住民により自宅に送り届けられた時点で死亡していた可能性が高い……という弁護側の主張をアピールするためとのことです。

村木元厚労事務次官インタビュー

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水曜日

郵便不正事件で特捜部の強引な捜査により被告席に立たされることとなった村木厚子氏のインタビューが時事通信により配信されています。

-JIJI.COM 2020年09月21日 「「裁判は調書依存と実感」 えん罪防止に制度改革を―元厚労事務次官の村木厚子さん」(アーカイブ

 

 

名張毒ぶどう酒事件で証拠の再鑑定に許可

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金曜日

-日本経済新聞 2020年9月11日 名古屋高裁が再鑑定許可 名張毒ぶどう酒事件アーカイブ

三重県名張市で1961年、懇親会でぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡するなどした名張毒ぶどう酒事件の第10次再審請求の異議審で、名古屋高裁が、ぶどう酒の王冠と瓶をつなぐように貼られた封かん紙の紙片の再鑑定を許可していたことが11日、分かった。奥西勝元死刑囚の弁護団が明らかにした。
弁護団は8月から再鑑定を始めており、終了し次第、新たな証拠として提出する方針。

「自白」によれば奥西元死刑囚が王冠を開ける際に剥がしたとされるこの封かん紙については、今年の6月に事件直後の住民の供述調書が開示されています。

 

松橋事件で国賠訴訟提起

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月曜日

昨年再審無罪が確定した松橋事件の冤罪被害者が国と熊本県を相手どり国家賠償訴訟を提起した、とのニュースです。

-朝日新聞DIGITAL 2020年9月17日 「松橋事件」で再審無罪確定の男性、国と熊本県を提訴アーカイブ

この事件でも、自白によれば犯行後に燃やされていたはずのシャツを検察が隠していたという「証拠隠し」が明らかになっており、原告は取り調べの違法性を訴えるようです。おそらく国と県は裁判をさっさと終わらせて捜査の問題点に関する審理を深めさせまいとするでしょうが、裁判所の訴訟指揮が注目されます。