寺神戸亮、『J・S・バッハ 無伴奏チェロ組曲(全曲)』(旧ブログ記事サルベージ)
(旧ブログに2008年10月19日に投稿したものです)
バロック・ヴァイオリン奏者の寺神戸亮が無伴奏チェロ組曲? 『レコード芸術』の6月号などをご覧になった方はすでにご存知だろうが、この録音はシギスヴァルト・クイケンの依頼で日本在住の弦楽器作家、ドミトリー・バディアロフ氏が制作した「ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ」を用いて演奏されている。現代のヴィオラよりさらに大きめの、しかしヴァイオリンやヴィオラのように肩に掛けて弾く楽器である。バッハの無伴奏チェロ組曲が実はこの楽器を想定して作曲されたのではないか? という問題については附属のリーフレットで寺神戸氏自身が解説している。通常のチェロ(やヴィオラ・ダ・ガンバ)に比べると小ぶりであるにもかかわらず音域は同じで、ということは使用する弦が問題になるわけで、『レコード芸術』でのバディアロフ氏のインタビューでもやはり、弦の復元に苦労した旨が語られていた。