「術後わいせつ」事件で有罪判決(追記あり)

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金曜日

本件は「自白」のある事件ではありませんが、否認事件の裁判を扱っているという理由で「自白の研究」タグを用いています。

-日経メディカル 2020年月16日 乳腺外科医の控訴審有罪判決、中川会長「体が震えるほどの怒り」

この裁判についてはとりたてて情報を集めていたわけではありませんので、逆転有罪判決それ自体について現時点では述べるべき見解はもっていません。ただ、この判決を批判する SNS 上の反応には、まるで「被害者」の供述だけにもとづいて有罪となったかのように主張するものが少なからずあります。これは性暴力事件の告発に対して発生するバックラッシュにおいてしばしば見られるパターンですので、座視できません。果たして一部で言われているような荒唐無稽な有罪判決だったのか。医師という権威者を守りたいという動機によってバイアスが生じていないか、という視点も(SNS上の反応を見ていると)必要であるように思います。

「被害者」の供述以外にも被告人に不利な事実があることは、一審の無罪判決後にも報じられていました。

-文春オンライン 2019年3月12日/2020年7月13日 諸岡宏樹「逆転有罪判決 女性患者の胸を舐めたのか……「手術後わいせつ事件」報道が伝えない不可解な事実」

SNSでは証拠となる試料が廃棄されたかのような主張も見られますが、上の日経メディカルの記事にもあるように廃棄されたのは「DNA抽出液」であって試料そのものは保存されているという指摘もあります。

 

追記:逆転有罪判決についての続報を追記しました。少なくとも、一部で言われているような荒唐無稽な判決でないことは確かである、と言えそうです。

-文春オンライン 2020年7月21日 手術後わいせつ事件 女性患者の胸を舐めた医師が「逆転有罪」になった理由

-Huffpost 2020年07月22日 準強制わいせつに問われた乳腺外科医は、どうして逆転有罪判決になったのか。【女性患者側弁護士が解説】