松川事件「謀略」説に一石
今年は松川事件発生から70年ということで、記念集会が福島大学で開催されると報じられていました。
-毎日新聞 2019年8月24日 「松川事件70年 無罪確定の阿部さん、冤罪のない社会訴え 9月に福島大で集会」
ところが集会が目前に迫るなか、先日公表が報じられた田島宮内庁長官の「拝謁記」に松川事件に関する記述が、というニュースが飛び込んできました。
-NHK NEWS WEB 2019年9月17日 「昭和天皇「拝謁記」の衝撃」
-NHK NEWS WEB 2019年9月19日 「「国鉄三大ミステリー」松川事件に関する記述も」
1953年11月11日の記録のなかに「一寸法務大臣ニきいたが松川事件ハアメリカがやつて共産党の所為ニしたとかいふ事だが」「これら過失ハあるが汚物を何とかしたといふので司令官が社会党ニ謝罪ニいつてる」との発言がある、とのことです。
注目すべき点の一つはこの日付です。一部の被告人をのぞいて有罪を維持した二審判決が出たのが同年12月22日。広津和郎が公判を傍聴するなど後の支援運動につながる動きが始まる中、二審判決が下るのを目前にした時期です。法務大臣の発言は伝聞の伝聞で記録されているだけとはいえ、司法当局が意図的に冤罪をつくりだした可能性を示唆するものです。当然、政府が調査委員会を設置して徹底的に追及すべき問題ですね。