焼け太りにも程がある


もともとは検察の不祥事(というより犯罪)に端を発したはずの刑事訴訟法改革なのに、結果として検察にとっては100点満点の刑訴法改悪となった。「ごく一部とはいえ取調べが可視化されたのだからそれなりの成果なのでは?」なんてとんでもない。検察にしてみれば裁判員裁判では録画を利用できるのだから。そのことは今市事件での無期懲役判決が証明したばかりだ。今後はまず任意の取調べのうちにギューギュー締めあげておいて逮捕状を執行したとたんに「さあ、事件についてうかがいましょうか(ニッコリ)」といった取調べが行われることになろう。
もちろん数のうえでは、虚偽自白の大半は裁判員裁判の対象とならないような事件(起訴猶予処分や略式起訴がありうる事件)でこそ生じているであろうことは言うまでもない。