舞鶴女子殺害、無罪が確定


08年に発生、09年に起訴が行われた舞鶴市の女子高生殺害事件で、昨日最高裁が検察の上告を棄却、被告人の無罪が確定しました。
なにぶんまだ記憶に新しい事件ですので「(虚偽)自白の研究」という関心からのみとりあげるのはためらわれるため、無罪を言い渡した高裁判決についても精査はしてきておらず、最高裁判決の方も要旨すら読んでいないのですが、各社の報道を総合すると「犯人性を疑う余地はあるが有罪とは言えない」という消極的無罪よりも踏み込んだ判断をしているようです。そして捜査当局は目撃者への聴取や被疑者への取調べでは相変わらず、手持ちの材料に併せた誘導をやらかしたようで……。
これ、そう簡単にはありそうにない話ではありますが、もし今後別の被疑者が浮上し、かつその特徴が目撃者の当初の証言によく合致していたとしても、もはや捜査当局によってぐちゃぐちゃにされてしまった目撃者証言は使い物にならないでしょう。新しい被告人の弁護士は当然、その後の証言の変遷を追及するでしょうから。冤罪を生み出すということは真犯人を取り逃がすことでもある、という当たり前のことを肝に銘じてもらいたいものです。