記者の微罪逮捕を狙う警察


昨日の『朝日新聞』朝刊「ザ・コラム」欄で、かつて志布志事件を取材し記事にしていた大久保真紀編集委員が当時を振り返っているのだが、これがなかなか衝撃的な内容。無罪判決が出る前の06年11月に、鹿児島県版で冤罪の可能性を指摘する連載をした直後のこと。取材に協力してくれた捜査関係者から電話があり、「素行に気をつけて下さい。尾行がついています。微罪でも引っ張られます」と警告された、と。意趣返しのために微罪逮捕も辞さないつもりだったというのだ。
この事件では現在、元被告人らが国と県に損害賠償を求める訴訟が進行中。コラムでは国や県が「捜査は適正に行われた」と主張していることが「まるで無罪判決などなかったかのように」と批判されている。今年の3月には、元被告の支援者が申し立てた審査請求が県公安委員会に棄却されている。これは支援者が事件の捜査資料の開示を請求したところ、県警が大半を黒塗りで開示した(ということはつまり、実質的に開示しなかった)ことへの不服申し立て。県公安委員会が県警の姿勢を追認したことになる。警察というのは被疑者に反省をさせずにはいられないくせに、自ら反省することは絶対にない組織なんだな。