最後かもしれないチャンスを食い尽くす美しい国

 春までの漁期を残し、主要な産地では、すでに昨年の漁獲量を大幅に上回っている。昨年は1キロ・グラム当たり248万円まで高騰した取引価格が、50万〜60万円に値下がりしている。早ければ半年で成魚になるといい、今夏以降には、店頭でのウナギの値下がりも期待できそうだ。

養殖のウナギは早ければ半年で出荷されますが、自然環境下で産卵するまでにはもっと長い時間がかかります。すなわち、記録的な不漁だった過去3年間ほどの間に生まれたウナギが産卵期を迎えるのはこれからのことで、親世代の個体数が激減していれば当然産卵数も減ることになります。とすれば、シラスの個体数が過去数年に比べれば多い(といっても全盛期に比べれば圧倒的に少ないのですが)今年はニホンウナギという種の保護にとって残された数少ないチャンスであるはずなのですが、日本のマスコミは相変わらず蒲焼きの値段にしか関心がないようです。いったいなにがどうなったらこれほどまでの無関心が蔓延しうるのか、不思議でなりません。