高知白バイ衝突事件で裁判所が「第3の説」


(表題の事件ではいわゆる「自白」はありませんが、冤罪事件・冤罪疑惑事件についてこのタグを使用しております。)

確定審で過失の証拠とされたタイヤのブレーキ痕について、元受刑者側は警察によって捏造されたものと主張、再審請求において主張を支持する鑑定書を提出していました。これに対して、裁判所が確定審の事実認定とも元受刑者側の主張とも異なる「第3の説」を提起してきた、というニュースです。その内容は、衝突時バスは停止しており(ゆえに過失は否定される)、衝突時の衝撃でバスは動いた(ゆえにタイヤ痕は捏造ではない)……というもの。元受刑者側は、なんとしても警察の捏造は認めないというつもりではないか、と意図を計りかねているとのこと。


もう一つは、アメリカのニュース。

「米冤罪(えんざい)事件データベース(National Registry of Exonerations)」と題するプロジェクトとによると、有罪判決が再審で覆された刑事事件は過去25年間で約1300件あるが、そのうち87件が2013年のものだという。09年以降では最も多かった。

多くの冤罪が晴れることはもちろんよいことですが、それは逆に言えば多くの誤判があったということでもあります。しかもプロジェクトのメンバーによれば「誤審全体の中の氷山の一角だ」とのこと。
興味深かったのは次の点です。

 報告によると大方の予想とは異なり、DNA検査が冤罪を晴らした事例は全体の20%しか占めていない。グロス氏によれば、38%は「法執行機関の主導、あるいは協力によって」有罪から無実に転じたもので、冤罪事件において当局が想像以上に積極的な役割を果たしていることが分かったとしている。

本当に犯罪を憎むならば、捜査当局こそが冤罪を晴らすために努力すべきでしょう。日本の当局にも同じような姿勢をもってもらいたいものです。