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太平洋のクロマグロが過去最低の水準まで減少


太平洋のクロマグロが、過去最低の水準まで減少していることがわかった。
WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)の科学委員会の最新の報告によると、太平洋における親のクロマグロの資源量は、2010年時点でおよそ2万2,600トンと、過去最低の水準まで減少しているという。
科学委員会は報告で「過剰漁獲の状態である」としていることから、2014年以降、漁獲量がさらに制限されるなどの厳しい措置が決定される可能性もある。
(後略)
(http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00238300.html)

同じ報告をもとにした別の記事はこんな具合です。

太平洋マグロ、規制継続なら20年で3・6倍に


 日本近海を含む太平洋産のクロマグロ(親魚)が、2030年までに最大で10年の3・6倍に増える可能性があるとの予測を、漁業管理機関「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」の科学委員会が8日公表した。

 日本で消費されるクロマグロのうち、太平洋産は約7割を占めている。資源量の増加は、将来的な価格下落につながる可能性もあり、日本にとっては朗報といえそうだ。
(後略)
(http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130109-OYT1T00226.htm)

太平洋のクロマグロは2030年に3・6倍に 国際委員会が予測、現行水準で規制続けば


 中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の科学委員会が、太平洋クロマグロの漁獲規制が現行と同水準で続けば、2030年には親魚の資源量が10年水準の約3・6倍に増える可能性があると予測したことが10日、分かった。

 日本で消費されるクロマグロの7割弱は太平洋クロマグロ。資源量が増えて漁獲規制が緩和されると、価格下落につながる可能性がある。
(後略)
(http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130110/biz13011018360038-n1.htm)

産経の記事では「後略」部分で「10年の親魚の量が2万3千トン弱と歴史的な低水準にある」という科学委の指摘に言及してはいるのですが、記事全体としては読売同様のトーンです。「3.6倍」というとえらく増えているように感じますけど、そのベースになっているのは「歴史的な低水準」の資源量ですから! いったいなにを考えればいまから「価格下落」を予測してウホウホできるのか、まったく理解に苦しみます。
こういう状況の中、テレビを見ているとマグロを「赤字覚悟」で出して客寄せを狙う飲食店が肯定的に紹介されていたりして、マジで恐怖を感じます。