足利事件に布川事件、と虚偽自白(だけではありませんが)により誤った無期懲役判決が下されていたことが近年立て続けに判明したにもかかわらず、捜査当局は真面目に虚偽自白対策に取り組んでいるようには思えません。
- 毎日jp 2012年11月06日 「特集ワイド:パソコン遠隔操作事件、誤認逮捕次々 虚偽自白からの護身術」
必要なのは潜在的被疑者たる我々が「護身術」を身につけることではなく、護身術など必要のない仕組みをつくりあげることなのですが、記事の本文には非常に有益なコメントも含まれています。
冤罪(えんざい)に詳しい秋山賢三弁護士は「軽微な罪ほど冤罪は起こりやすい」と指摘する。「取調官は『今認めれば罰金で済む』『すぐ保釈され家族にも会える』『意地を張っても裁判になれば有罪。早く認めて人生をやり直したほうが得だ』などと説得する。自白するしないは人間の強さと関係ない。もっと構造的な問題です」
(強調は引用者)
だからこそ、「護身術」を身につけて被疑者が「強く」なることは小手先の対処療法に過ぎず、「構造」をこそ変えねばならないわけです。