2年前から変わってないマグロ報道

河北新報社が「水産復興の視点 先進地ノルウェーに学ぶ」と題する特集を連載しています。
(1)安定収入/資源管理、再生導く/漁獲量、漁船ごとに設定 (2012/10/23)
(2)洋上取引/市場を介さず競り/漁期前に最低価格設定 (2012/10/24)
(3)一元管理/洋上で大規模養殖/効率化徹底、高品質守る (2012/10/25)
ノルウェーの取り組みのすべてがそのまま日本で効果を発揮するかどうかは別として、資源管理が極めて重要であることは自明と言ってよいでしょう。
先日、自宅にある雑誌のバックナンバーを整理していたところ、『週刊金曜日』の第794号(2010年4月9日)に「検証 水産庁の“大本営”発表 クロマグロ騒動の裏で日本人が知らされていないこと」と題する記事が掲載されていました。同年3月に、ドーハでのワシントン条約締約国会議で、クロマグロの規制案(付属書I)が否決されたことを、日本のマスコミが「日本の勝利!」として報じていたことを受けた記事です。同会議は来年3月にタイで開催される予定ですが、クロマグロの規制についての提案をアメリカが見送ったことで「消費国の日本は胸をなで下ろしている」という報道があったことは先日述べた通りです。
この記事と並んで、釣り好きで知られる俳優・松方弘樹氏のインタビューが掲載されているのですが、そこではすでに「漁業先進国のノルウェーニュージーランドのように厳しい規制をつくれば、どんどん魚は戻ってくるでしょう」などの指摘がなされていました。「マグロをスポーツで釣る米国人」を非難する記事が『SAPIO』に載ったりしましたが、世界の消費量の8割を口にしている日本人とどちらがクロマグロ資源に影響を与えているかは、火を見るより明らかです。素直に釣り愛好家の危機意識から学ぶべきではないでしょうか。