建前を大事にすることについて

国際的なスポーツイベントにはまったく関心がないのだが、人権・反差別といった理念が表立って擁護される場にしようとする関係者の意志には敬意を表したいと思う。「スポーツというシングル・イシューのイベントに人権とか反差別とか、持ち込むな!」なんて言われたりしないわけだ。今年の6月に開催されたサッカーの EURO2012 でも、開催国の一つがポーランドだったため、ドイツチームが、いやドイツチームだけでなくイングランド、イタリア、オランダなどの代表チームがアウシュヴィッツを訪問していた。
しかしこの件を報じる日本のメディアは、一体どうして石原慎太郎が五輪を招致しようとしゃかりきになっていることをスルーできるのだろうか。国内報道のすべてをチェックしたわけではもちろんないけれども、管見の限りではただ事実を伝える報道ばかりだった。