え〜「受忍論」ってやつがありまして

憲法9条に負の側面があるとすれば、その筆頭に来るのは「なんでも9条のせいにしておけばすむ、と思う右派の知的怠慢」を助長したことじゃないでしょうかね。
先月20日深夜、MBS毎日放送)が「受忍〜放置され続ける空襲被災者」という番組を放送しました。別館の方ではなんどかとりあげてきましたが、旧軍人やその遺族には総額で50兆円もの恩給を支払ってきたのに対し、空襲被害者には(広島・長崎の被爆者を除き)なんの補償もありませんでした。この不作為を正当化してきたのが「戦争被害は国民すべてが受忍すべきもの」とする受忍論です。「みんなで負担しなければならないところは負担するという当たり前の話が憲法9条の精神で吹っ飛んでしまっている」どころか、極めて不平等な戦後補償を正当化するためにこのロジックが使われてきたのが現実です(最近では受忍論に言及しない判決も出ていますが)。