「さくさく」について

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.tokyo-horei.co.jp/shop/goods/10943/
「さくさくトリアージ」を擁護ないし容認する意見もあるようで。
しかしこれ、確かに「トリアージ」だからとりあげたという側面はあるけど、それだけじゃないわけです。相手が人間じゃない仕事なら「さくさく」もいいでしょう(「さくさくファイリング」とか)。人間を相手にする仕事でも、顧客もまた「さくさく」をなにより望む業務の場合なら同様です。例えば病院でも、「さくさく会計」ならかまわないわけです。しかし「さくさく生徒指導(or進路指導)」「さくさく刑事弁護」「さくさく取調べ」「さくさくDV相談」「さくさく生活保護申請処理」……ならどうか? もちろん、マニュアル化できる部分はそうして迅速に処理できるようにしないと現場の人間が潰れてしまうという危惧は当然あってよいし、まして「トリアージ」の場合には「ヘタな考え休むに似たり」という要素があるわけですが、だからといってそれを「さくさく」と表現するのはマニュアル化の負の側面についてあまりに鈍感だし、まして市販されている書籍でそれを用いてしまう(つまり、医療関係者以外も目にする可能性があり、現に今回そうなった)のはどうなのか、と。「モンスター・ペイシェントとか言ってるけど、医療従事者の方が“さくさく”感かもし出してんじゃないの?」とか勘ぐられかねんわけですよ? 「さくさくPTA対策」なんて本を抱えた教師が「いや〜うちの学校もモンスター・ペアレントが多くて」とか言ってるとして、あなたそれを額面通りに信じますか? 私なら信じません。「問題の少なくとも一部はお前に原因があるだろ」と思いますね。