裁判と通訳


大阪本社版の朝日新聞では19日朝刊の社会面に掲載されているのだが、asahi.comには21日になって掲載されたようだ。

裁判では取調べ段階での調書における自白の信用性が認められ有罪になったとのことだが、調書が同様の通訳ミスによって被告人に不利なものとなっている可能性については現時点では問題になっていないようだ。しかし仮にそれを問題にしようとしても、録音・録画されていない取調べでは水掛け論になってしまいかねない。


なお裁判と通訳ということでは、『東京裁判における通訳』という本が面白そうだと思っているのだけれど、まだ読むことができていない。


刑事事件関係では次のようなニュースも。

  • asahi.com 2010年3月20日 「検体採取の警察署で取り違えか 神奈川県警DNA誤登録」

 DNA型データベースに登録された誤ったDNA型情報などをもとに、神奈川県警が窃盗事件とは無関係の男性の逮捕状を取り、家宅捜索もした問題で、県警は20日、この男性の検体を最初に採取した警察署の段階で、別の検体と取り違えていた可能性が高いことを明らかにした。県警は「既に2月から、取り違えの再発防止策を導入している」と説明している。

個人を特定する精度が高くなっているとされるDNA鑑定だけに、このようなミスがあったのでは冤罪を生むことは必至と言える。

 この問題は横浜市旭区の飲食店で昨年11月に経営者のバッグが盗まれた事件で起きた。県警は遺留物のDNA型鑑定を実施。鑑定結果の一致や目撃情報から今年1月、この男性を容疑者として逮捕状と家宅捜索令状を取り、男性宅を捜索したが、警察庁が管理するDNA型データベースの登録情報とは別人の情報だったことが判明した。

さらに、この報道から判断すれば「目撃情報」も結果的に別人を犯人と特定してしまっていたことになる。目撃者からの事情聴取が記憶心理学的な観点から言って妥当なものだったのかどうか、も検討されねばならないのではないか。