ケーサツだって抗議の「内容」を踏まえてるのに

やれやれ、単語に反応するだけで「どういう立ち位置から、誰に向けて語られたものか」という基本的なことすら押さえてないやつにはほんとうんざり。「自衛するなというのかキリッ!」とそっくりだな。
http://d.hatena.ne.jp/meiwakoko/20091231
このエントリを“マイノリティの抗議運動に対する戦術指南”であるかのように読んじゃうって、バカでしょ。端的に言って。
高金素梅氏のケースに限って言えば警察も簡単には手を出さないだろうけど(そもそももう一方の当事者たる靖国神社は告訴・告発者じゃないんだし)、一般論として言えば警察はばっちりマイノリティの抗議行動を取り締まっとるわけですよ。ビラ配って逮捕とか、車庫飛ばしで逮捕、とかね。ところがビラ配りの件にせよ、映画館に抗議した右翼が車庫飛ばしでパクられた件にせよ、公安がでばって来とるわけです。杉並区の反戦落書きのケースだって2日目からの取り調べは公安が担当したとのこと。つまり国家権力は臆面もなく、本当に問題なのは住居侵入とか電磁的公正証書原本不実記録・同供用だとか建造物損壊ではなく、表現の内容であったことを(あるいは被疑者、被告人が特定の団体に所属している、ないし所属している疑いがあることだということを)認めているわけです。表面的には「違法行為」を摘発しているようで、実際には被疑者・被告人の思想が摘発されている。公安がでばってくるというのはそういうことです。抗議する声がなにを語っているかに向き合うことを拒否して「法は法だ」と主張することは、警察が実は形式的に法を運用しているわけではないという事実と共犯関係にあります。高砂族の戦死者を靖国神社が合祀し、合祀撤回の求めに応じないこと*1についての自分なりの見解なくして「抗議の仕方がけしからん」と主張することは、要するに靖国神社に肩入れすることです。靖国の主張を支持するなら、自らの責任においてそうすればいい。そして自分でも抗議者の声に向き合うといい。それならばわかる。しかし「抗議の仕方がけしからん」は少数者の抗議に向き合う責任を放棄したうえで多数派の論理を追認することでしかない。

らしいが、なんでこういう奴らって、こんなにも民主主義が嫌いなんだろう?


日本は民主主義国家であり、民主主義とは、みんなの共感を多く集めた立場(要するにマジョリティ)が正義となる制度である。

そりゃ「マジョリティが正義!」とか平気で言う奴がいるんだから、「民主主義100%」なんて恐ろしくてやってられんわな。違憲立法審査って、知ってる?

*1:もちろん、合祀を拒まない遺族もいるでしょうし、そうした遺族までを高金素梅氏が勝手に代表してしまっているのならその点は批判すればいいわけです。だからといって遺族の意に反する合祀が現に行われているという事実は動きません。