すぐばれる嘘を平気でつく人たち


この手のニュースを見るといつもボブ・ディランの "Idiot Wind" の一節("Idiot wind, blowing every time you move your mouth...")が頭に浮かんでしまう。

その上で平成7年の最高裁判決が「憲法93条にいう(地方選挙権を持つ)『住民』とは、地方公共団体に住所を有する日本国民を意味する」として、外国人の地方参政権要求を明確に退けていると指摘した。

問題の「提言」はここ。言及されている判例は平成7年02月28日に最高裁第三小法廷で出た平成5(行ツ)163の判決。(全文)。

このように、憲法九三条二項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を保障したものとはいえないが、憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。しかしながら、右のような措置を講ずるか否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからといって違憲の問題を生ずるものではない。以上のように解すべきことは、当裁判所大法廷判決(前掲昭和三五年一二月一四日判決、最高裁昭和三七年(あ)第九〇〇号同三八年三月二七日判決・刑集一七巻二号一二一頁、最高裁昭和四九年(行ツ)第七五号同五一年四月一四日判決・民集三〇巻三号二二三頁、最高裁昭和五四年(行ツ)第六五号同五八年四月二七日判決・民集三七巻三号三四五頁)の趣旨に徴して明らかである。

判決が「外国人の地方参政権要求を明確に退け」たりしていないことは(小学生には無理でも)中学生にはわかるんじゃないだろうか。「退けて」いるのは定住外国人地方参政権を与えないのは違憲だという主張であって、永住外国人などに「法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当」であるとされていることは、ただただ漢字が多くて硬い日本語を読むことさえできればわかる。連立政権のメンバーにわからないはずはないし(法相は弁護士出身だからw)、「法案をつくれ」と言われた官僚にわからないはずもない。こんな、文字通りの子ども騙しは「提言」なるものを黙殺する口実をみすみす与えるようなもんだと思うんだけどねぇ。facts じゃなくて THE FACTS の世界の住人にはわからないのかな。