ちなみに・・・

自民党内部の議論は別としてとりあえず国会に「犬と子どもと一緒の写真」が持ち出された事例を探してみる(「教科書 家族 犬」で検索)。

  • 平成16年11月10日 第161回国会 参院 少子高齢社会に関する調査会(2号)

 また別の教科書では、祖母は孫を家族と考えていても、孫は祖母を家族と考えない場合もあるだろう、犬や猫のペットを大切な家族の一員と考える人もあるという。これは本当に東アジアの文化圏としてはちょっとおかしいんじゃないかなと思うような記述なんですね。

発言者は・・・・・・山谷えり子です(笑) これに先立つ部分を引用しておく。

 今、教育の面では家族は非常に抑圧的なもの、個人の自由と対立するものであるかのような記述がされております。私は、いろいろ教育問題の講演なんかを頼まれますと、PTAの方におたくのお子さんたちが学校で使っている家庭科の教科書、保健の教科書、ちょっとごらんになってみてくださいと言うんですね。そうすると、うちの子がこんな教科書で教えられているとは知らなかったというふうに言います。
 例えば、これ、先週行ったある学校の高校の教科書ですが、人生と家族とあって質問があります。A子さんとB夫さんは結婚して二十年ですが、八年前から別居中です。きっかけはA子さんに別の好きな人ができたから。この二人は離婚できるでしょうかと。これ高校生の親のこと言っているんですね、結婚して二十年。つまり、あなたたちのお母さんには浮気をする権利があって、離婚の権利があるよということを答えさせるような教科書になっているわけです。
 また別の教科書では、従来は未婚の母という言葉が使われてきた。しかし、最近は法律的に結婚せずに子供を産み育てることを自らの意思で選び取って母親になる女性を非婚の母、シングルマザーと呼ぶようになっている。結婚によらないで産まれる子供が結婚によって産まれる子供より多い国、括弧フランスやスウェーデンなどもあるという形で、高校生にシングルマザーの勧めをしているのかなと思われるような記述があるわけですね。
 また別の教科書には、近年では生活はともにするが婚姻届を出さず事実婚を選択するカップル、離婚をしても新たなパートナーと出会い再婚をするカップル、同性同士、男と男、女と女という意味ですが、同性同士で生活をともにする人たちなど、様々な形でパートナーとの生活を営む人たちもいると。つまり、男と女が御縁をいただいて結婚して命を授かってきたこの命をまたつないでいくという基本形が書かれずに、多様な過程を大事にしましょうというような、一見良いような切り口でですね、実は何というか、家族を軽視するような書き方がされているのではないかというような感じがいたします。

要するに「ライフスタイルの多様性が憎い」ということですね。

これまた山谷えり子

山谷えり子君 男女共同参画基本計画のこの性教育の充実の中で、結局、フリーセックスをお勧めするような、年齢を無視した教育が行われているんですね。
 警察庁の調べでは、見知らぬ人とセックスするのは本人の自由だという中高校生が六八%なんですよ。考えられません、見知らぬ人とという。本当に私たちは責任を持たなければいけないと思います。それで不妊症になる割合も大変高いです。
 ある産婦人科の先生、富永国比古先生がこんなふうにおっしゃっているんですね。性感染症が既に危険レベルに達しているという認識は、性感染症を治療している医師たちの共通認識であることを強く訴えたい。性的自己決定論に基づく性教育を受けて、性感染症にかかってしまった十代の犠牲者のうめき声に、我々は毎日耳を傾けているのである。彼らのうめき声は、性の自己決定論者たちの声高な発言をも沈黙させる、厳粛な真実であるというふうに言っております。
 本当に男女差別とは何の関係もないこういう教育が、男女基本計画の下に行われているという事実を御認識いただきたいと思います。
 そしてまた、男女共同参画基本計画の中にある家庭科の教科書、家庭崩壊科じゃないかと申しましたが、ちょっと紹介させていただきます。
 資料五というところでございます。これも、私がPTAの講演に行って、お父様が下さったものなんです。うちの娘がこんな本を読まされている、おかしいと言って下すったものです。
 左側のページ。次の疑問に答えてみましょう。A子さんとB夫さんは結婚して二十年、八年前から別居中、きっかけはA子さんに別の好きな人ができたから。この二人は離婚できるでしょうか。
 サッチャーが政権に就いたとき、こんな演説をいたしました。イギリスの子供たちは英語で自分のことを的確に表現できない、伝統、道徳の価値を教わっていない、浮気をする権利があると教わっている、とんでもない、教育改革しなければいけない。
 私は、浮気をする権利なんて学校で教えるわけがないでしょうと思いました。しかし今、日本で、家庭科の教科書で、このような文章があるわけでございます。
 そしてまた、右のページ、下の方でございます。例えば祖母は孫を家族と考えていても、孫は祖母を家族と考えない場合もあるだろう、犬や猫のペットを大切な家族の一員と考える人もあるというふうに書いております。
 別のところでは、従来は未婚の母という言葉が使われてきた、しかし最近は、法律的に結婚せずに子供を産み育てることを自らの意思で選び取って母親になる女性を非婚の母、シングルマザーと呼ぶようになっていると。
 自らの意思で選び取るシングルマザーというのをあたかもお勧めするかのように、その差別とかそういう問題ではなくて、お勧めするかのように書いていると、これは問題ではないかと思いますが、このような家庭科の教科書、御存じでしたでしょうか、小泉総理。

まあ要するに性教育は「フリーセックスをお勧め」することだ、という価値観の人間が言っとるわけですよ。「シングルマザー」についての発言にも通じることだが、要するに主流派とは異なる選択肢が存在することを紹介すればそれを「お勧め」だと解釈するわけです。異なる選択肢を子どもの目から隠すことがどういう効果をもつか、なんてことは考えずに。