新野球協約
今日(10日)の朝日新聞朝刊スポーツ欄に「「理念」消えた新野球協約」という署名記事(西村欣也記者)が掲載されていた。
プロ野球の新野球協約が1月1日から発効している。(…)
しかし、実は「改悪」といっていい大きな変更がなされていた。
旧協約では第3条で協約の目的を定めていた。「この協約の目的は次の通りである。この組織を構成する団体および個人は不断の努力を通じてこの目的達成を目指すものとする。(1)わが国の野球を不朽の国技にし、野球が社会の文化的公共財となるよう努めることによって、野球の権威および技術に対する国民の信頼を確保する。(2)わが国におけるプロフェッショナル野球を飛躍的に発展させ、もって世界選手権を争う。」
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しかし新協約は違う。やはり第3条で協約の目的を述べているが、その内容はまったく異なる。「この協約は、社団法人日本野球機構の事業の円滑適正な執行を図るための組織である日本プロフェッショナル野球組織の組織および運営の細目を定めるものである。」
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旧協約にも「権威」とか「国技」などクレームを付けたくなる概念が含まれているのは確かだが、それにしても新協約の没理念性は明白だ。まさに理念なき社会にふさわしい協約になってしまった。近鉄とオリックスの統合のような事態がまた繰り返されたとき、フランチャイズのファンの思いを無視することがこれで正当化されてしまったわけだ。プロ野球ファンながら今日までこの事実を知らなかった私にも責任の一端はもちろんある。