科学

シラスウナギ保護へ、日中韓台が合意

日本経済新聞 2014/9/17 ウナギ稚魚の養殖、11月から制限で合意 日中韓台 生息数が減少しているニホンウナギの資源保護策を話し合う国際会議は17日、都内で最終日の協議を終え、閉幕した。参加した日本と中国、台湾、韓国は養殖池に入れる稚魚(シラスウナギ…

被爆者証言がうかがわせる記憶の再構成

8月18日に放送されたNHKスペシャル「知られざる衝撃波〜長崎原爆・マッハステムの脅威〜」には、原爆投下当時学校で防空壕を掘る作業をしていたために助かった生存者が登場し、這い出して初めて目にした光景についてこう語っている(画面に表示されたテロッ…

土用の丑の日がすぎても油断はできない

ABCテレビ(関西では)の番組「奇跡の地球物語」、8月10日(日)放送分は「幻の天然ウナギ“青ウナギ”〜ベテラン漁師に密着!生態に迫る〜」。録画しておいたのを見てみました。 日本の食卓からウナギが消えてしまうのか……? 今年6月、絶滅危惧種に指定された…

7月22日、ABC「キャスト」のウナギコーナー

今日から梅干しの土用干しを始めたのですが、土用といえばあれです。そう、あれ。 ABC朝日放送の夕方のニュース番組、「キャスト」が7月22日(火)にウナギをとりあげていました。9分ほどのミニ特集です。 全体の流れは…… ・「元気が出る」「おいしい」とい…

ウナギ・ジェノサイド2014(追記あり)

msn産経ニュース 2014.5.22 「外食チェーンでうな丼シーズン開幕 くら寿司は“過去最高”の「特上」を税別980円で」 今年はシラスウナギが「豊漁」、などというたわけた報道も見られますが、記録的不漁だった過去3年間の稚魚が成魚になって産卵期を迎える頃…

驚くのが10年遅いですよ

育鵬社の公民の教科書にインテリジェント・デザイン説が登場、ってことが話題になってますので、旧ブログの記事をサルベージしてみました。 http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20050928/p1 http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20051019/p1 http://d.h…

スティーヴ・ブシェミの生物学に対する貢献

ニール・シュービンの『ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト―最新科学が明らかにする人体進化35億年の旅』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)という本を読んでいたら、思いもよらずスティーヴ・ブシェミの名前が。カイメンをふるいにかけてバラバラの細胞にして…

「消費者への影響は少ない」規制に意味があるのか?

朝日新聞DIGITAL 2014年3月10日 「クロマグロ漁獲量の半減、国際機関に提案へ 水産庁」 見出しを見た時点では「おお!」という感じだったのだが、記事本文を読むと……。 日本海などを含む広義の中西部太平洋の幼魚の漁獲量は、日本漁船分は02〜04年平均が…

最後かもしれないチャンスを食い尽くす美しい国

YOMIURI ONLINE 2014年3月1日 「ウナギ稚魚「やっと正常」…豊漁で値下がり期待」 春までの漁期を残し、主要な産地では、すでに昨年の漁獲量を大幅に上回っている。昨年は1キロ・グラム当たり248万円まで高騰した取引価格が、50万〜60万円に値下がり…

イカナゴの資源量も危険な水準か

msn産経ニュース 2014.2.21 「播磨灘も今年は不漁? イカナゴ、シンコ漁 県が解禁前調査 兵庫」 同センターは昨年12月6〜26日、県沖合では最大のイカナゴの産卵場として知られる播磨灘北東部の浅瀬「鹿(しか)の瀬水域」で親魚の採集調査を5回実施。 …

絶滅レースでウナギ、マグロを追う魚たち

YOMIURI ONLINE 2014年2月18日 「水産資源、食べつつ守る…持続可能な漁業目指す」 記事のカテゴリが「グルメ>ニュース」になっている時点で「詰んだ!」感満点ですが……。 独立行政法人「水産総合研究センター」は、日本周辺水域の52魚種の資源状態を調べ…

食材表示に関する消費者庁ガイドライン案

朝日新聞DIGITAL 2014年1月19日 「シャケ弁→サーモントラウト弁? 食材表示厳格化で波紋」 記事ではガイドライン厳格化の目的として「実際より著しく良いものだと装って間違った認識を与えることを禁じ」ている景品表示法に実効性を与えること、があげられて…

シシャモの頭

昨日買い物に行ったスーパーで、子持ちシシャモの頭をとったやつが安売りされてました。仮に頭を食べないにしても、頭を避けて食べるのがめんどくさい、という消費者を想定してるんですねぇ。「その頭を酒の肴にするから売ってくれよ」と思いましたが。

「ブルーシーフード」? 大丈夫かそれ?

msn産経ニュース 2013.11.7 「魚介類消費を柱に ロックフェラーJr.の団体が食育プログラム発表」 海洋保全を目的に米ロックフェラー財団のデイビッド・ロックフェラーJr.会長が平成16年に設立した米の団体「セイラーズフォーザシー」の日本支局(横…

「獲り方」より「護り方」が先では?

八重山毎日新聞 2013年10月13日 「インドネシアから実習生 八重山漁協が初めて」 「実習生と称する事実上の奴隷労働」でなければよいが、という危惧とは別にマグロ漁そのものに未来があるのかどうかも考える必要がありそうです。そしてマグロ資源の「護り方…

『目撃証言の心理学』

厳島行雄・仲真紀子・原聰、『目撃証言の心理学』、2003年、北大路書房 本書で紹介されているアメリカの誤判研究によれば、調査対象とした205件のうち実に100件が目撃者の誤った識別(犯人でないひとを犯人であると識別してしまうこと)によるものだという。…

右翼は心が寛い

郵便受けに『ザ・リバティ』の号外なるものがポスティングされていて、表面は例によって河野談話、村山談話 Dis。裏面が天照大神の霊言。すでにネットでは指摘されていることだけど、右翼はよくこんなの見過ごしてる―だけでなく手を組んだりしてるよなぁ。と…

太平洋クロマグロ親魚の資源量は過去最低レベルに?

東京新聞 2013年8月7日 「太平洋クロマグロ規制へ 漁獲量削減を勧告 国際機関」 「北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)」によれば、2010年のデータでクロマグロ親魚の資源量は過去最低レベルになったおそれがあり、漁獲量削減等が必要だとの勧告を出し…

土用の丑の日シンポ、「ウナギの持続的利用は可能か ーうな丼の未来」

東アジア鰻資源協議会 公開シンポジウム 「ウナギの持続的利用は可能か ―うな丼の未来」 基調講演での塚本勝巳・日本大学教授の提言は次の通りでした(スライドの忠実な引用ではなく要約です)。 1.天然ウナギ 「獲らない、売らない、食べない」 2.異種ウナ…

“期待”を裏切らなかったハフィントンポスト日本版

日本版ができた時に発表された編集長の名前を見て「Blogos みたいなのがまた一つできるの?」と思ってたんですが、案の定 Blogos クオリティですね。 ニホンウナギ 絶滅危惧種指定の危機 IUCNが本格的検討へ これなんかもスゴいです。「絶滅の危機」じゃなく…

集中連載「ウナギが食べられなくなる日」

共同通信の編集委員で、岩波新書『ウナギ 地球環境を語る魚』の著者、井田徹治さんが『NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版」のウェブマガジン、『Webナショジオ』で「ウナギが食べられなくなる日」を連載されています。 第1回 乱獲で資源は危機的に、生息地破壊も一…

ネトウヨが21世紀に伝承する七平メソッド

http://blog.livedoor.jp/samuraiari/archives/51899645.html さる5月26日の新宿デモ(わが外撲協による「外国人犯罪撲滅国民大行進」)において沿道からしかめっ面で我々の行進に見入る朝鮮人か中国人と思しき者らが何名かいた。他のデモ参加者も同様に…

じゃあ食わなきゃいいじゃない

Gendai.Net(日刊ゲンダイ)2013年6月17日 「中国人はなぜウナギに毒を入れるのか」 いちおう、今年の2月にうなぎ蒲焼きからマラカイトグリーン(抗菌剤)が検出されていた、ということ自体は事実です。ところで、昨年7月22日放送の「報道ステーション SUNDA…

今年のウナギ事情、途中経過

ローソンはすでに「ご予約承り中」だそうです。 http://www.lawson.co.jp/recommend/static/unagi/?ca=top_rec_002 吉野屋、すき屋はトップページで堂々と鰻丼をアピール。 http://www.yoshinoya.com http://www.sukiya.jp これまでのところ、上記三社はウナ…

アメリカの「ウナギ長者」事情

3月21日づけエントリのコメント欄にて、とらこぞうさんからご教示いただいた件です。5月11日読売新聞朝刊に「米漁師「ウナギ長者」 日本不漁で稚魚が高騰」という記事が掲載されています。とらこぞうさんに記事の存在を教えていただいた時には「アメリカウナ…

ビカーラもマルボラータもかけがえのない、固有性をもった種です

「次世代ウナギ」なるフレーズがウナギ業界で用いられているようです。 http://www.suisantimes.co.jp/cgi-bin/column.cgi?d=130218 http://www.news-postseven.com/archives/20130321_177510.html “旧世代”ウナギたるジャポニカ種はただ消えゆくのみ、とい…

今春のイカナゴ状況

今年の2月に兵庫県がイカナゴ(シンコ)の漁況予報を出していたのですが、それによれば播磨灘、大阪湾、紀伊水道のいずれでも、平年を下回っていた昨年をさらに下回る見込み、とのことでした。私が住んでいる界隈でも、「過去最高値」という水準ではありませ…

新聞記者って、生物多様性のことをまじめに考えると死ぬ宿命でも背負っているの?

目を疑うような記事。 徳島新聞Web 2013/2/14 「川面彩る淡い光 吉野川河口でシラスウナギ漁」 徳島県内の河川で、冬の風物詩であるシラスウナギ漁が最盛期を迎えている。集魚灯の光に照らされた川面が緑や黄色に揺れ、幻想的な光景をつくり出している。 な…

青森でイカナゴ禁漁

上記のエントリを書いた後になって、このニュースを知る。 毎日jp 2013年02月14日 「イカナゴ:全面禁漁へ 春の味覚、乱獲で激減 陸奥湾6漁協、特定魚では初 /青森」 ピーク時の11,745トンからなんと1トンに漁獲量が減っている、という衝撃のニュースです。…

「ニッポンの食卓から魚が消える!?」

1月25日(木)の午後10時から放送されていた「たけしのニッポンのミカタ!〜ニッポンの食卓から魚が消える!?」を録画しておいたのだが、昨日ようやく見た。 のっけから銀座の有名寿司店「久兵衛」の主人がスタジオでマグロを捌いている絵で、嫌な感じ。 三…